ブックハンティング・クラシックス
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安倍首相が読むには時期尚早? ニクソンの描く「偉大な指導者像」
『指導者とは』リチャード・ニクソン著/徳岡孝夫訳文藝春秋 1986年刊 リチャード・ニクソンほど複雑で、誤解されているアメリカ大統領はいないだろう。 それは分かっている、と多くの人はいうかもしれない。米中和解を遂げ、泥沼のベトナムから米軍を撤退させた一方で、ウォーターゲート事件のため史上初めて任期半ばで辞任せざるを得なくなった大統領。その栄光と汚辱。すぐれた外交戦略を持ちながら、内政において挫折した。アメリカ現代史を知る人なら、そんなイメージを抱く。 だが、外政家ニクソンだけを評価する人は、次のようなエピソードをどうみるだろうか。
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