中国の電力消費量が減退していることなどを根拠に、政府が発表する経済成長率に疑問を唱える声が強まっている。 中国の電力消費量は、マクロ経済の成長にともなって過去数年は二ケタ成長を続けてきた。需要増に設備投資が追いつかず、例年のように夏場には電力不足に陥り、計画停電が行なわれていたほどだ。しかし、状況は金融危機で一変した。中国の電力消費量は昨年十月以降、減少に転じ、今年五月も前年同月比三・五%減と、減少傾向が続いている。四半期ごとのデータでは、昨年の第4四半期(十―十二月)は前年同期比でマイナス七%、今年第1四半期(一―三月)もマイナス四%となっている。

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