政権交代で加速する「財界総理」の落日

執筆者:安西巧 2009年10月号

麻生政権で経済財政諮問会議のメンバーから外され、政界から見限られた御手洗経団連会長。キヤノンでもミスジャッジが続く中、民主党政権の誕生は、さらなる逆風となりそうだ。 歴史的な政権交代に道を開いた八月三十日の総選挙。民主党の地滑り的勝利は永田町のみならず、霞が関や大手町にも激震をもたらしている。選挙前に民主党の農業政策を真っ向から批判していた農水省事務次官をはじめ、かねて民主党政権が誕生した暁には「お辞めいただく」と新首相鳩山由紀夫(六二)が公言していた日本郵政社長など、首筋が寒くなった旧体制のリーダーたちはさぞや寝覚めの悪い日々を送っているに違いない。財界の最高峰、日本経団連会長を務める御手洗冨士夫(七三)もその一人だろう。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
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