「営業のプロ」が直面する鹿島の業績低迷と創業家問題

執筆者:安西巧 2010年2月号
タグ: 日本

昨年末、株価が四十一年ぶりの安値をつけた鹿島。業績低迷に歯止めがかからない。「営業のプロ」と言われた中村社長は逆風にどう立ち向かうのか。 昨年十二月九日、国土交通相の前原誠司(四七)以下、国交省政務三役と建設主要八団体の会長との初会合がホテルオークラ(東京・虎ノ門)で開かれた。 会合の席上、「少子高齢化問題などを抱えるわが国の現状では税金の使い途を変える必要がある」と「コンクリートから人へ」の政策に理解を求める前原に対し、「公共投資の削減は結構だが……」と切り返したのは昨年四月に日本土木工業協会会長に就任した鹿島社長の中村満義(六六)。返す刀で「二〇〇九年一―十月に建設業就業者数は約二十万人減っており、これに今後も政府投資の削減が続いたら一〇年までの二年間で就業人口は計四十万―五十万人減少する」と業界の苦境を訴えた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
安西巧(あんざいたくみ) ジャーナリスト 1959年福岡県北九州市生まれ。1983年早稲田大学政治経済学部政治学科卒、日本経済新聞社入社。主に企業取材の第一線で記者活動。広島支局長、編集委員などを歴任し、2024年フリーに。フォーサイトでは「杜耕次」のペンネームでも執筆。著書に『経団連 落日の財界総本山』『広島はすごい』『マツダとカープ 松田ファミリーの100年史』(以上、新潮社)、『さらば国策産業 電力改革450日の迷走』『ソニー&松下 失われたDNA』『西武争奪 資産2兆円をめぐる攻防』『歴史に学ぶ プロ野球16球団拡大構想』(以上、日本経済新聞出版)など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top