民主党が昨年の総選挙前に発表したマニフェスト(政権公約)には、「外国人労働者」や「移民」に関する記述が全く見当たらない。その理由として、二つのことが考えられる。 まず、民主党内部でも、彼らの受け入れに関し、統一見解が存在するとは思えない。現在、外国人参政権を巡って同党が割れているのは象徴的だ。そして何より、外国人労働者問題は有権者の広範な支持を得にくい。選挙を考えれば、「子ども手当」や「高速道路無料化」など、有権者受けしそうな政策を前面に押し出す方が得策だ。とはいえ、外国人労働者と、その先にある移民受け入れの議論は、日本として避けて通れないものである。

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