「世界の工場」として知られる中国・広州にアフリカ人街があると聞き、訪ねてみることにした。地下鉄二号線の終点「三元里」。「小北路」という市内の大通りにもアフリカ人があふれ、アフリカ貿易センターのビルが屹立していたが、ここは別世界だ。噂に違わずアフリカ人だらけである。いずれも広州の北西地域にあり、アフリカ系黒人も多く住む米国ニューヨークのブルックリンを彷彿させることから、「アジアのブルックリン」と呼ばれている。 中国にビジネス・チャンスがあると信じ、ナイジェリア、エチオピア、ケニア、タンザニア、コンゴなどから、大勢のアフリカ人が飛行機を乗り継いで広州にやってくる。広州の白雲国際空港から三元里までタクシーを飛ばせば約二十分だが、香港に到着したアフリカ人は迷わずバスに飛び乗る。所要時間は三時間。格安のバス情報はすでに彼らの「知るところ」であるらしい。

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