ついに20世紀最後の年を迎えた。 年明け以来、さまざまなメディアで、「個の時代」の到来ということが盛んに論じられている。ここ数年間に起きた企業の大型倒産、金融機関の経営破綻、失業率の増加を通じて、多くの国民が「自己責任」と「個人武装」の必要を考えないわけにはいかなくなったことが背景にあると思われる。かつては官も企業の側も「よらしむべし、知らしむべからず」の姿勢が強かった。しかし、官僚の腐敗や企業スキャンダルが数多く表ざたになり、官や企業に「説明責任」が求められるようになった。国民の側には逆に、「自己判断」の責任が課せられることになる。
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