冷戦後の軍事的優位、史上最長の好景気――。繁栄を極める米国で静かに「レーガン回顧現象」が広がっている。勃然と起こったレーガン時代への追憶には、米国社会が抱き始めた未来への漠然とした不安が覗く。[ワシントン発]アメリカの戦後史の命運を決する分岐点になった場所があるとすれば、テキサス州ダラスのデーリー広場と首都ワシントンのワシントン・ヒルトン・ホテルが挙げられよう。前者は一九六三年十一月二十二日のケネディ大統領暗殺現場、後者は八一年三月三十日のレーガン大統領銃撃現場である。二つの現職大統領狙撃事件は、その後の米国の政治・経済・社会の趨勢に重大な影響を与えた。
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