湾岸戦争からことしでちょうど十年。敗北したはずのサダム・フセイン・イラク大統領はなお強権体制を維持し、皮肉にも、石油輸出国機構(OPEC)内での石油価格の動向を左右する力は以前より増した。 他方米国では、湾岸戦争に大勝利したはずのブッシュ(父)大統領が翌年の大統領選挙に敗れたものの、長男がことし大統領に就任し、時代に逆行するとも思えるエネルギー大増産政策を発表した。田中真紀子外相の指摘を待たずとも、ブッシュ家は石油資本との関係が深い。 この間、日本では何が起きただろうか。昨年二月末、アラビア石油(小長啓一社長)はサウジアラビアの自主開発油田の採掘権を失い、次は二〇〇三年一月に期限切れを迎えるクウェートとの石油権益更新交渉の開始が決まった。
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