外務省に張り巡らされた血縁と閨閥のネットワーク、すなわち「血の絆」がどれほど稠密なものかは、次ページからの表をご覧いただきたい。もちろん、これはすべてを網羅したものではない。この問題については、本誌は以前にも取り上げ、他のメディアも、折に触れて批判してきた。 しかし、平成に入って以降も、毎年、何人かの外交官二世あるいは血縁者が、着実に採用され続けている。平成元年1人、二年2人、四年2人、五年4人、六年1人、八年2人、十一年2人、十二年1人といった具合だ。これは、いわゆるキャリア外交官に限った数字である。今年度から従来の外交官試験が廃止され、外務公務員の採用も一般の国家公務員の採用試験と一体化された。閉鎖性など、「別枠採用」による弊害の指摘を受けた結果の制度変更だが、八月上旬の段階で、今年も2名が内定している(合格発表は八月十五日)。制度変更の影響はなかったわけだ。

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