アフガニスタンのヘロイン撲滅に奇妙な新兵器

執筆者: 2003年3月号
エリア: アジア

 世界最大のヘロイン生産国であるアフガニスタンのケシ栽培に対し、隣国タジキスタンとウズベキスタンが「新兵器」を開発している。両国が国連の援助を受けて研究しているのは「キラーきのこ」。正式名称は「ポリスポア・パパベリサイド(ケシを殺す胞子)」で、ケシの生長を初期段階で止める効果がこのほど確認されたという。 タジキスタンの生物学者で国連麻薬取締班にも協力しているサイドムラドフ氏によると、遺伝子操作で作られた「キラーきのこ」の威力を測る実験は、アフガニスタンの気象条件に近い高地で行なわれた。〇・五ヘクタールの土地にケシを植え、その上から「キラーきのこ」の胞子を撒布したところ、ケシは十日から十五日で枯れたという。気になる環境への影響だが、百八十種の植物や作物を使って調べた結果、他の作物には障害が出ないことがわかった。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top