プーチン大統領が抱え込む「有能なエリツィン一派」

執筆者: 2004年3月号
エリア: ヨーロッパ

 クレムリン内のホットな噂によれば、「エリツィン・ファミリー最後の一人」ウラジスラフ・スルコフ大統領府副長官の辞任は時間の問題だ。去る一月二十二日スルコフは辞表を提出、プーチン大統領も即座に受理したという。しかし、ロシア政府は三月十四日の大統領選後に発表する意向だ。それも当然、大統領府きっての内政通を欠いては選挙戦を戦えないからだ。選挙後、スルコフはロシア外国貿易銀行(VTB)第一副総裁に就任すると見られている。 なぜ、第一副総裁か? ロシア金融の要であるVTB総裁の座は、カシヤノフ首相の予約席だからだ。プーチンは、エリツィン派の人間を一カ所に集める肚のようだ。そこで、三月以降、VTBを根城に「影の内閣」が生まれる可能性を指摘する声も聞こえる。

カテゴリ: 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top