何せ、逮捕されたのは国際通貨基金(IMF)のトップである。財政危機への対策で世界を飛び回り、母国フランスの次期大統領の最有力候補とも目されていた人物だ。しかも、容疑は最も破廉恥な「強姦未遂」。状況から見ると、まさに「青天の霹靂」だった。 一方で「やっぱり」と思った人も少なくないだろう。政治家としての評判の反面、女性を巡るトラブルがいつも付きまとっていた。事件になりかけたスキャンダルは数知れない。「いつかは足をすくわれるだろう」との認識は、母国の記者たちの間で半ば共有されていた。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン