東北発の景気回復は本当か

執筆者:磯山友幸 2012年4月23日
タグ: 人手不足 日本
エリア: アジア
本格的な景気回復はこれからだ(建築制限がかかる仙台市若林区荒浜地区周辺)(c)時事
本格的な景気回復はこれからだ(建築制限がかかる仙台市若林区荒浜地区周辺)(c)時事

「予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、請負代金額が著しく不適当となったときは(中略)請負代金額の変更を請求することができる」  宮城県は、県が発注する工事契約について3月から、工事請負契約書にあるこの「スライド条項」を適用し始めた。デフレが進んだから工事代金を下げる、という話ではない。「インフレ」だという認定をしたのである。宮城県のほか岩手県と福島県でも同様の措置が取られた。  日本経済は長い間デフレに苦しんでいる。日本全体でみればまだまだデフレからの脱却はできていない。ところが、東日本大震災で被災した3県では局所的に「急激なインフレ」になっている、というのだ。どういうことか。

カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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