混戦が予想されるペルー大統領選の見通し

執筆者:遅野井茂雄 2011年1月15日
タグ: 大統領選
エリア: 中南米

 1月10日立候補が締め切られたペルー大統領選には13人が立候補し、4月10日の投票に向け選挙戦がスタートした。

 選挙は、「国民連帯」(カスタニェダ前リマ市長)、「可能なペルー」(トレド元大統領)、「勢力2011」(ケイコ・フジモリ議員)、「ペルー勝利」(ウマラ)、「大変革」(クチンスキ元首相)らの選挙同盟と、アプラ党(アラオス前経済相)を中心に展開されることになる。

 候補者リストが出揃った直後の12月19日に公表された世論調査(IpsosApoyo)では、カスタニェダ(23%)、トレド(23%)、ケイコ(20%)の3人が先頭を走り、ウマラ(11%)が続いている。クチンスキ、アラオスはいずれも5%止まりである。調査は主要都市部を対象としたものであり、選挙戦も開始したばかりで、現時点での予測は時期尚早だが、前者4人の争いに絞られたとみてよく、混戦が予想される。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
遅野井茂雄(おそのいしげお) 筑波大学名誉教授。1952年松本市生れ。東京外国語大学卒。筑波大学大学院修士課程修了後、アジア経済研究所入所。ペルー問題研究所客員研究員、在ペルー日本国大使館1等書記官、アジア経済研究所主任調査研究員、南山大学教授を経て、2003年より筑波大学大学院教授、人文社会系長、2018年4月より現職。専門はラテンアメリカ政治・国際関係。主著に『試練のフジモリ大統領―現代ペルー危機をどう捉えるか』(日本放送出版協会、共著)、『現代ペルーとフジモリ政権 (アジアを見る眼)』(アジア経済研究所)、『ラテンアメリカ世界を生きる』(新評論、共著)、『21世紀ラテンアメリカの左派政権:虚像と実像』(アジア経済研究所、編著)、『現代アンデス諸国の政治変動』(明石書店、共著)など。
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