大震災をめぐり、中華圏の対日世論が、やや風向きを変えつつあるようです。
震災直後の反応は、基本的に暖かいものでした。
困難の中でも冷静かつ秩序だって行動する日本人の国民性が驚きをもって肯定的に受け止められ、圧倒的な同情を集め、義援金の一大ムーブメントが起きました。
東アジアでは近年、中国の四川大地震、インドネシアのスマトラ沖地震、台湾の台湾大地震など、ここ10年で大型地震で被災した国も多く、他人事ではなかったのでしょう。
その同情とサポート中心だった流れが変わり始めたのは発生から2週間すぎても、一向に福島原発の問題を解決できない日本政府や東京電力への疑問でした。そのうち、放射能の問題が次第に深刻化し、どの国も自分の土地に被害が及ぶ可能性も出てきて、次第に厳しい視線が出始めました。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン