饗宴外交の舞台裏 (163)

「旋風」を巻き起こしたブータン国王夫妻の来日

執筆者:西川恵 2011年12月8日
タグ: 日本 フランス
エリア: アジア
日本訪問が事実上の新婚旅行に(c)AFP=時事
日本訪問が事実上の新婚旅行に(c)AFP=時事

 近年、来日した国賓でブータンのワンチュク国王(31)とジェツン・ペマ王妃(21)ほど注目されたカップルはいないだろう。両国の外交関係樹立25周年という節目で、国王と王妃は1カ月前に結婚したばかり。11月15日から20日まで日本に滞在し、ブータン旋風を巻き起こした。  来日した翌16日、皇居・宮殿前の東庭で歓迎行事が行なわれ、気管支炎で入院中の天皇陛下に代わり、皇太子さまが国王夫妻を迎えた。皇后さまは歓迎行事に出席せず、東京・元赤坂の迎賓館赤坂離宮を訪れて国王夫妻にあいさつした。  その夜、野田佳彦首相夫妻をはじめ、ブータンで農業を指導し、同国最高峰の称号「ダショー」を贈られた故西岡京治さんの妻・里子さん(75)ら同国ゆかりの約150人が出席して宮中晩餐会が開かれた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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