「検察」の根幹揺るがす前代未聞の「ダブルスタンダード」

執筆者:内木場重人 2013年6月5日
カテゴリ: 社会
エリア: アジア
 小津博司検事総長の判断に注目が集まっている (C)時事
小津博司検事総長の判断に注目が集まっている (C)時事

 今年2月19日、最高裁判所第1小法廷において、業務上横領罪などに問われていた経営コンサルタント会社社長(52)の上告を棄却する決定が下された。その結果、1、2審の大阪地裁、同高裁が下していた懲役5年の判決が確定した。

 事件そのものは、取引先会社が振り出した約4億円分の約束手形を被告が無断で流用したというもので、よくある経済事犯だ。だが実は、この判決を巡って目下、検察庁では元検事総長が絶句し、現検事総長以下首脳らは頭を抱え、大マスコミはおろか法曹関係者ですらごく一部しか気づいていない、わが国行刑史上前例のない難問に突き当たっているという。そのため、判決確定からすでに3カ月が経過したというのに、いまだにこの社長は収監されていないのだ。

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内木場重人(うちこばしげと) フォーサイト前編集長
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