「ケニア・テロ」で垣間見えるアルシャバブの「不気味な広がり」

執筆者:白戸圭一 2013年9月25日
タグ: 日本

 ケニアの首都ナイロビのショッピングモールで武装集団が実行したテロ攻撃は、本稿を執筆している日本時間25日朝の時点で、ケニア当局による実行犯全員の拘束・殺害が続いており、遺体の収容も完了していない。実行犯グループの特定と背後関係の解明は、ほとんど手付かずと言ってよい。事態は流動的で不確定だが、今回の事件にはアフリカにおける日本人の危機管理という点で、少なくとも注目すべき2つの重要な論点があると思う。

 1つは、実行犯グループにアフリカ域外の者が含まれていた可能性が強まっているということ。もう1つは、犯行声明を出した隣国ソマリアのイスラム過激組織アルシャバブによるテロの標的が、東アフリカの経済拠点ナイロビの商業施設だった点である。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
白戸圭一(しらとけいいち) 立命館大学国際関係学部教授。1970年生れ。立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。毎日新聞社の外信部、政治部、ヨハネスブルク支局、北米総局(ワシントン)などで勤務した後、三井物産戦略研究所を経て2018年4月より現職。著書に『ルポ 資源大陸アフリカ』(東洋経済新報社、日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のためのアフリカ入門』(ちくま新書)、『ボコ・ハラム イスラーム国を超えた「史上最悪」のテロ組織』(新潮社)など。京都大学アフリカ地域研究資料センター特任教授、三井物産戦略研究所客員研究員を兼任。
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