インド「庶民党」は天下を取れるか

執筆者:緒方麻也 2014年1月14日
エリア: アジア

 

 インドにおける5年に1度の政治イベントである下院選がいよいよ今春に迫ってきた。経済成長の減速や汚職続発などで老舗政党・国民会議派率いる連立政権に厳しい逆風が吹き、西部グジャラート州で高成長や数々の大企業誘致を成功させたナレンドラ・モディ同州首相(63)を首相候補として押し立てる最大野党・インド人民党(BJP)が、10年ぶりの政権奪回を目指す。そこに多彩な顔ぶれの有力地方政党リーダーらがどう絡んでくるか、というのが昨年末までの展開だった。

 こうしたレースに突如割って入ったのが、反汚職を掲げて12月の首都デリー準州議会選で大躍進し、州の政権までつかんだアルビンド・ケジリワル党首(45)率いる庶民党(アアム・アドミ・パーティー=AAP)だ。ケジリワル氏は国父マハトマ・ガンディーばりの「断食」戦術で一大旋風を巻き起こした社会活動家アンナ・ハザレ氏の側近として頭角を現し、インド初の市民オンブズマン法である「ロークパル法」制定を政府に要求し、新たな政治潮流をつくりだした立役者でもある。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
緒方麻也(おがたまや) ジャーナリスト。4年間のインド駐在を含め、20年にわたってインド・パキスタンや南アジアの政治・経済の最前線を取材、分析している。「新興国において、経済成長こそがより多くの人を幸福にできる」というのが信条。
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