台湾の行政院大陸委員会の王郁琦・主任委員が2月11日、中国・南京を訪問し、中国の台湾事務弁公室の張志軍・主任と会談した。中台双方でこの中台担当閣僚の会談を「歴史的会談」と位置づけた。会うこと自体が1949年の分断後初めてだったからだが、会談は形式的なもので実質的内容はそれほどなく、中台トップ会談を視野に入れた中台政治対話の長いプロセスのスタートに過ぎない。
中台は双方でそれぞれの主権を認めていないので、中台の対話は1990年代前半に始まって以来、基本的に民間組織である窓口機関(中国は海峡両岸関係協会、台湾は海峡交流基金会)を通して行われてきた。2008年の馬英九政権誕生後の関係改善局面においても、その原則は貫かれてきたが、政治的に敏感度の低い領域、例えば文化や経済の分野では政府部門の高官の接触はすでに行われている。

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