ブックハンティング・クラシックス (13)

ちょうど50年前、世界が驚倒した「秘密報告」の政治的インパクト

執筆者:佐瀬昌盛 2006年2月号
エリア: ヨーロッパ

『フルシチョフ秘密報告「スターリン批判」全訳解説』志水速雄訳・解説講談社学術文庫 1977年刊 ソ連共産党第二十回大会でのフルシチョフ第一書記によるスターリン批判「秘密報告」から五十年目の日がやってくる。それは一九五六年二月二十五日未明のこと。この日は、二月十四日から続いていた党大会明けの日となるはずだった。フルシチョフの党中央委報告も初日に終っていた。二十四日夕刻には大会代議員や外国党代表たちは宿舎で、翌日の帰郷、帰国の準備をしていた。が、深夜、外国党代表は除き、ソ連の代議員たちは大会場へ戻れと指示された。だから、真夜中に再開された大会でのフルシチョフ報告は非公開の秘密報告となった。「フルシチョフ秘密報告『スターリン批判』」は、これを扱っている。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
佐瀬昌盛(させまさもり) 防衛大学校名誉教授。1934年生れ。東京大学大学院修了。成蹊大学助教授、防衛大学校教授、拓殖大学海外事情研究所所長などを歴任。『NATO―21世紀からの世界戦略』(文春新書)、『集団的自衛権―論争のために』(PHP新書)など著書多数。
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