米議会で税制改正、通商案件などを管轄し、極めて強大な権限を持っている常任委員会は、「上院財政委員会」と「下院歳入委員会」である。米議会上下両院の数ある常任委員会の中でも両委員会は内政関連で広範な案件を管轄するため、両委員長ポストは最も重要な委員長ポストと見做されてきた。実際、過去の上院財政委員長には、1996年共和党大統領候補であったボブ・ドール(カンザス州)、1988年民主党副大統領候補であり、第1期クリントン政権で財務長官を務めたロイド・ベンツェン(テキサス州)、「上院の知性」として超党派の尊敬を集めたダニエル・パトリック・モイニハン(民主党、ニューヨーク州)、知日派のウィリアム・ロス(共和党、デラウェア州)らがいる。下院歳入委員長には14年間も委員長職にあったダン・ロステンコウスキー(民主党、イリノイ州第5区)やアフリカ系有力民主党議員のチャーリー・ランゲル(ニューヨーク州第13区)といった有力政治家が在任していた。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン