インテリジェンス・ナウ

ウクライナ情報機関の「非ロシア化」が先決――暗号通信など筒抜け状態

執筆者:春名幹男 2014年4月23日
タグ: CIA NATO ロシア
エリア: ヨーロッパ 北米
 キエフ訪問が報じられた米CIAのブレナン長官 (C)AFP=時事
キエフ訪問が報じられた米CIAのブレナン長官 (C)AFP=時事

 ウクライナ情勢の出口が見えない中、ジョン・ブレナン米中央情報局(CIA)長官が4月12日、首都キエフを訪問した。

 偽名での極秘訪問だったが、ロシアのメディアがすっぱ抜いた。そしてブレナン長官のキエフ訪問直後、ウクライナ治安部隊が東部ドネツク州スラビャンスクで市庁舎などを占拠していた親ロシア派グループの強制排除に着手した。

 強制排除の「ゴーサイン」を出したのはCIA長官――とノーボスチ通信などロシアのメディアは非難した。もちろん、ホワイトハウスもCIAもこれを否定した。CIAスポークスマンは「長官がウクライナ当局に戦術的工作を督励するなどという主張は全くの誤り」と述べた。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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