「日本版NSC創設」を成功させるための提言

[ワシントン発]新内閣を組織した安倍晋三新首相は、すばやく国家安全保障会議創設構想を打ち出し、十月三日には、スティーブン・ハドリー米国家安全保障問題担当大統領補佐官との会合のため、小池百合子国家安全保障問題担当首相補佐官をワシントンに派遣した。並行して、塩崎恭久官房長官に会議の陣容を検討するよう命じている。北朝鮮が核実験を強行した現実に照らすと、これはまさに時宜を得た判断である。 北朝鮮による核実験は、長期的視野に立つ国家戦略の策定と、目の前の危機対処という、すべての指導者が直面する、時に相反する二つの課題の難しさを示す典型的な例だ。だが、「危機」という漢字が示すとおり、危機には戦略を押し進める「機会」がある。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
マイケル・グリーン(まいけるぐりーん) 1961年生れ。フルブライト留学生として東京大学大学院に留学。国会議員秘書や新聞記者などで5年間の滞日経験をもち、日本語に堪能。ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)より博士号取得。2001年、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)入りし、04年から05年まで上級アジア部長。06年初めよりCSIS日本部長とジョージタウン大学教授を兼務している。
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