「国際結婚急増」は韓国をどう変えるのか

執筆者:平井久志 2007年1月号
エリア: アジア

農漁村の新婚さんは三組に一組が国際結婚。日本以上に急ピッチで少子高齢化に向かう韓国で、もうひとつの“変貌”が進みつつある。[ソウル発]最近、韓国の仁川国際空港で目につく光景がある。早朝にもかかわらず、地方出身とみられる韓国人男性たちが到着ゲート前にたむろしているのだ。彼らは決して若くなく、どこか洗練されていない着こなしでもあるが、それでもちゃんと身繕いをしている。手に写真を握りしめた者もいる。この男性たちが一心に待っているのは、ベトナムからの到着便だ。 ベトナム戦争で戦火を交えたベトナムと韓国の両国は、最近、経済関係を含め急速に関係を拡大しつつある。ハノイ、ホーチミン両市と仁川間を往復する航空便は次第に増便され、深夜にベトナムを発つものが主流だ。早朝の仁川空港で韓国の農村男性たちが待つのは、念願の花嫁たちだ。

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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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