インテリジェンス・ナウ
「ロシア・イラン共同作戦」だったシリア空爆:「米ロ代理戦争」の色彩
ロシア軍のシリア内戦介入はあまりにも突然だった。
国連総会開会中の9月28日、米ロ首脳はニューヨークで15カ月ぶりに首脳会談を行った。記者団が取材を終えて、翌29日ワシントンに戻る機上で、アーネスト大統領報道官は恐ろしく前向きの評価をした。
「オバマ大統領はプーチン大統領と建設的な会談を行った。シリアは政治的転換が必要とのプーチン大統領の指摘を米国は歓迎した。意見の違いはあるが、正しい方向への動きだ」
翌日、ロシア空軍機は、プーチン大統領の予告なしに、シリアの反政府勢力の攻撃目標を空爆した。昨年の「クリミア」の時と同様、米国はまたロシアに出し抜かれたのである。
このため米上下両院情報特別委員会は、米情報機関がロシア軍の攻撃の前兆を見逃していた、として調査することになった。
実際、ロシアとイランは年初来、情報活動でも、軍事面でも、外交面でも、ロシアのシリア内戦介入に向けて、慌ただしい動きを続けていたのだ。

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