人民元「SDR」採用:「リスク」より「面子」を重視した中国

執筆者:新田賢吾 2015年12月11日

 人民元が国際通貨基金(IMF)の特別引き出し権(SDR)の構成通貨に採用されることが確定した。米ドル、ユーロ、英ポンド、円に続く5番目の採用通貨になるが、構成比は中国の貿易量をベースに10.92%と決められ、一気に円、ポンドを上回る第3位の通貨となる。人民元は輸出入の決済など経常取引では自由化されているが、資本取引は中国政府が制約を加えており、完全に自由交換される「ハードカレンシー(国際決済通貨)」ではない。にもかかわらず、IMFは「広く使われ、広く取引されている」ことを根拠に、人民元はSDRに求められる自由度基準を満たしている、と判断した。

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