東芝は12月21日、2016年3月期に創業以来最悪の5500億円の最終赤字を出し、国内外で1万人の削減に踏み切ることを発表した。粉飾決算が明らかになって以来、過去3代の社長の確執なども外部に明らかになり、ブランドも大きく毀損した東芝の将来には悲観的な見方も多い。だが、旧松下電機産業(現パナソニック)や日立製作所などの復活の実例をみればわかるように、これは、戦後急成長した日本の電機産業が古くて硬い甲羅を壊し、新しい事業構造を持った会社に生まれ変わるプロセスとみるべきだ。センサーなどデバイスが伸びるソニーも含め、日本の電機・電子産業はようやく真の意味での新しい世紀に入っていこうとしている。

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