あれから1年「大塚家具」騒動の教訓

執筆者:磯山友幸 2016年3月22日
タグ: 安倍晋三 日本
エリア: アジア

 父・会長と娘・社長が経営権を巡って株主総会で激突した大塚家具騒動から丸1年。長女の大塚久美子社長が出した「会社側提案」が株主総会で多数の賛同を得たことで、久美子社長体制が固まった。その後、主力店舗の改装などで、株主に訴えた「入りやすい店舗」への転換を実行し、大塚家具の再生に取り組んでいる。

 一方、会長だった父親の大塚勝久氏は、自らの提案が株主総会で受け入れられず、取締役の地位を失って、長男の大塚勝之専務と共に会社を去った。勝久氏は保有株も半分近くを手離し、その資金で「匠大塚」という新会社を立ち上げた。3月25日に迫る今年の株主総会には株主提案は出ておらず、昨年のような「大荒れ」にはならない見込みだ。

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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