「フィリピン大統領選」トップに躍り出た「強い男」

執筆者:野嶋剛 2016年4月26日
タグ: 大統領選
エリア: アジア

 現職のアキノ大統領の任期満了に伴う、6年に1度のフィリピン大統領選が5月9日に迫っている。激戦が予想されていたが、いささか意外な「ダークホース」が世論調査の支持率競争のなかで一歩抜け出す勢いを見せている。それが、南部ミンダナオのダバオ市長であり、「強い男」のイメージを前面に出したマッチョなタイプのロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)である。

 

上位3氏がともに失速

 これまで、フィリピンの大統領選は4人を中心に展開してきた。アキノ大統領によって後継指名を受けたマヌエル・ロハス前内務自治大臣(58)、前々回の大統領選では僅差で敗れた有名俳優のフェルナンド・ポー・ジュニアの娘であるグレース・ポー上院議員(47)、マニラ首都圏マカティ市長を経験したジェジョマル・ビナイ副大統領(73)、そして、この中では最も知名度の低いドゥテルテ氏だった。

カテゴリ: 政治 社会
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top