現職のアキノ大統領の任期満了に伴う、6年に1度のフィリピン大統領選が5月9日に迫っている。激戦が予想されていたが、いささか意外な「ダークホース」が世論調査の支持率競争のなかで一歩抜け出す勢いを見せている。それが、南部ミンダナオのダバオ市長であり、「強い男」のイメージを前面に出したマッチョなタイプのロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)である。
上位3氏がともに失速
これまで、フィリピンの大統領選は4人を中心に展開してきた。アキノ大統領によって後継指名を受けたマヌエル・ロハス前内務自治大臣(58)、前々回の大統領選では僅差で敗れた有名俳優のフェルナンド・ポー・ジュニアの娘であるグレース・ポー上院議員(47)、マニラ首都圏マカティ市長を経験したジェジョマル・ビナイ副大統領(73)、そして、この中では最も知名度の低いドゥテルテ氏だった。

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