ロシアが「原爆投下」米国糾弾キャンペーンを張る狙い

 ロシアのプーチン大統領側近のナルイシキン下院議長は6月16日、安倍晋三首相と会談し、プーチン大統領の親書を手渡すとともに、終戦直後にソ連が広島、長崎の被爆地を撮影した映像など関連資料を提供した。同議長は会談後の会見で、「原爆投下によって数十万人が犠牲になったことは誠に遺憾だ」と述べ、オバマ大統領が5月27日の広島訪問で「被爆者に謝罪しなかったことに驚いている。アメリカの軍人と政治家は犯罪の責任がある」と原爆投下の責任を追及した。ロシアは、日本の世論調査で9割以上が評価したオバマ大統領の広島訪問に冷や水を浴びせ、日米分断を画策しようとしている。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
名越健郎(なごしけんろう) 拓殖大学海外事情研究所客員教授。1953年岡山県生まれ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長、編集局次長、仙台支社長を歴任。2011年、同社退社。拓殖大学海外事情研究所客員教授。国際教養大学特任教授、拓殖大学特任教授を経て、2024年から現職。著書に、『秘密資金の戦後政党史』(新潮選書)、『ジョークで読む世界ウラ事情』(日経プレミアシリーズ)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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