今ごろ「財政投融資」を持ち出すアベノミクスの「危うさ」

執筆者:鷲尾香一 2016年8月8日
タグ: 安倍晋三 日銀
エリア: アジア
将来に禍根を残すことになるかもしれない愚策か(C)時事

 

 参議院選挙の大勝を手に入れた安倍晋三首相は、その余勢を駆って大型の経済対策に打って出た。政府・与党は7月28日、経済対策案を大筋でまとめ、8月2日に与党として了承し、閣議決定した。財政措置のうち、国と地方の財政支出(真水部分)は7.5兆円程度、事業規模は28兆円を超える。

 それにしても、消費税率の引き上げを先送りし、2020年度のプライマリー・バランス(基礎的財政収支)の黒字化目標を堅持し、国債の発行を抑制するとしている現在の財政状況の中で、一体どこに大型経済対策を実施するだけの財政資金があるのだろうか。その答えは「財政投融資」にある。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
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