軍事のコモンセンス (11)

「統合」「連合」の悩み

 前回の「陸・海・空自衛隊と統合化」の記事は「統合化」の部分が短く不十分であった。そこで今回は、その「統合」を更に補足説明するとともに、国際協力に関わる「連合」の現状、問題点について述べることにする。

 軍事における「統合」は一般的に「陸、海、空軍」の力を1つにまとめ、総合的な力にすることである。現代では陸・海・空軍の他に海兵隊・宇宙軍・サイバー軍などがこの「統合軍」の中に含まれようとしている。

 軍事における「連合」は「各国軍」の力を1つにまとめ、国際協力の力にすることであり、「国連軍(PKOを含む)」「NATO軍」「有志連合軍」「米韓連合軍」などがその一例である。

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執筆者プロフィール
冨澤暉(とみざわひかる) 元陸将、東洋学園大学理事・名誉教授、財団法人偕行社理事長、日本防衛学会顧問。1938年生まれ。防衛大学校を卒業後、陸上自衛隊に入隊。米陸軍機甲学校に留学。第1師団長、陸上幕僚副長、北部方面総監を経て、陸上幕僚長を最後に1995年退官。著書に『逆説の軍事論』(バジリコ)、『シンポジウム イラク戦争』(編著、かや書房)、『矛盾だらけの日本の安全保障』(田原総一朗氏との対談、海竜社)。
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