日銀「マイナス金利」正常化「出口戦略」にこれだけの「難題」と「障壁」

執筆者:鷲尾香一 2017年7月10日
エリア: アジア
発言の変化は苦慮の表れでもある(C)EPA=時事

 

 日本銀行による大規模な金融緩和「マイナス金利」政策からの「出口戦略」に関する議論が喧しい。その背景には、黒田東彦日銀総裁の金融政策に対する発言の変化がある。

 5月15日に開催された『ウォール・ストリート・ジャーナル』主催のイベントで、黒田総裁は出口戦略について、「日銀は十分なツールを持っている」「誰が次の総裁になっても、うまく対応できると確信している」などと発言した。これまで、出口戦略について問われるたびに「時期尚早」との常套句を繰り返すだけだったことを考えれば、大きな変化と言える。

カテゴリ: 経済・ビジネス 政治
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
鷲尾香一(わしおこういち) 金融ジャーナリスト。本名は鈴木透。元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで様々な分野で取材・執筆活動を行っている。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top