【特別対談】「韓国」「北朝鮮」との「向き合い方」(2)

1953年7月、朝鮮戦争休戦協定に署名する金日成主席(左)。建国の英雄として北朝鮮を領導した (C)EPA=時事
小此木政夫:なぜそこまで北朝鮮の体制が強靭なのか。その1つの理由は、北朝鮮という国家は、東ドイツや南ベトナムとは違うからだと、私は思いますよ。
なぜ南ベトナムは敗れたのか。フランスやアメリカは一所懸命に支えたが、南ベトナムには国家的な正統性が薄弱だったからです。北ベトナムは抗仏戦争の歴史や「ホー・チ・ミン」という独立の父を持っていた。言い換えれば、ある種の正統性原理を持った国家であった。それに対して、南ベトナムはフランスが旧皇帝バオダイを引っ張り出した国ですからね。その後を継いだのが、カトリック教徒のゴ・ジン・ジェム政権でした。これではダメですね。

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