岩瀬昇のエネルギー通信
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中東外最重要産油国「ベネズエラ」さらなる減産の「惨状」

このマドゥロ大統領が変わらない限り、ベネズエラの経済・石油事情は変わらないかも(C)EPA=時事
1980年代前半だったと記憶するが、初めてブラジルに出張したときのことだ。ホテルの部屋にあったルームサ―ビス・メニュー表がすべて「時価」になっているのに首を傾げ、地元駐在員に尋ねたことがある。理由はハイパーインフレだった。現地通貨表示の価格は「毎日」上がるので、「時価」と書かざるを得なかったのだそうだ。
1923年のドイツでは、ビヤホールで飲むビールの値段が1杯目と2杯目では異なるというエピソードを野口悠紀雄先生がお書きになられている。飲んでいる間にもインフレが進行しているというわけだ。ご興味のある方はぜひ、当サイトの連載「マネーの魔術師」第35回「『手押し車の年』となったドイツの1923年」(2018年1月25日)をお読みください。

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