饗宴外交の舞台裏 (237)

ラオス「フレンチ料理長」が店名「ナダオ」に秘めた思い

執筆者:西川恵 2018年3月6日
タグ: フランス 日本
エリア: ヨーロッパ アジア
ラオスのフレンチレストランの料理長サヤブーさんは、若いころ、パリの三ツ星レストラン「ルカ・キャルトン」で働いていた。後列右から6番目(サヤブーさん提供)

 

 旅行したラオスの首都ビエンチャンで秀逸なフランス料理と出会った。聞くと、レストランを経営するラオス人の料理長は、フランスの錚々たるグラン・シェフ(「ルレ・エ・シャトー」が優れた料理人に与える称号)、故アラン・サンドランス、ジョエル・ロブションらの右腕として働いた経歴の持ち主だった。故国に戻って23年、その味を求めて政府高官や各国の大使がやってくる。

カテゴリ: 社会 政治 カルチャー
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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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