米国「イラン核合意」離脱で石油価格は「上がる」のか

『Oil Market Report(IEA月報)』(2018年4月13日)より

 

 2014年の夏、ジョン・ケリー米国務長官(オバマ政権、当時)はサウジアラビア(以下、サウジ)のアブドッラー前国王と会談し、供給阻害が起こって石油価格が急騰する場合には増産で対応して貰うよう打ち合わせた。アメリカが主導して「イスラム国(IS)」への本格的攻撃を開始する直前の話だ。中東の地政学リスクが増加し、油価が高騰する可能性を危惧したからだ。

 その後、何が起こったか?

 シリア国内での空爆など、米軍が主導する有志連合軍と「イスラム国(IS)」との戦闘は激化した。だが、夏場にピークをつけた原油価格は秋口にかけて下落を続け、11月末のOPEC(石油輸出国機構)総会が「減産しない」ことを決議したため、12月に入って急落した。それから3年、原油価格は低迷を続けていた。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同) がある。
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