帰還困難区域「飯舘村長泥」区長の希望と現実(下)「ネットワーク型」で帰還は促進するか

執筆者:寺島英弥 2018年5月19日
エリア: 日本
例祭が間近な白鳥神社を訪れた鴫原良友さん(筆者撮影、以下同)

 

 そもそも除染土を再利用しようという環境再生事業は、福島県内の除染で生じた汚染土の処理の一助として発想された経緯がある。除染後の汚染土は本来、環境省が東京電力福島第1原子力発電所のある双葉、大熊両町に造成中の中間貯蔵施設に搬入され、30年間保管される計画だが、先に触れた同省の報告書「除去土壌再生利用に向けた動向について」はこう記す。

〈除去土壌等の発生量は、最大約2200万立方メートルと推計され、全量をそのまま(県外で)最終処分することは、必要な規模の最終処分場の確保等の観点から実現性が乏しい。そこで本来貴重な資源である土壌からなる除去土壌(注・汚染土)を部分的に何らかの形で利用し、最終処分量を低減することが考えられるが、放射性物質を含むことから、そのままでは利用が難しい。

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執筆者プロフィール
寺島英弥 ジャーナリスト。1957年福島県生れ。早稲田大学法学部卒。河北新報元編集委員。河北新報で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)、「時よ語れ 東北の20世紀」などの連載に携わり、2011年から東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として2002-03年、米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』『福島第1原発事故7年 避難指示解除後を生きる』(同)。3.11以降、被災地における「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を書き続けた。
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