北朝鮮「非核化」論議で抜け落ちている「生物化学兵器」対処と「防衛費」負担

執筆者:林吉永 2018年7月9日
エリア: 朝鮮半島
7月7日、安倍首相を表敬訪問したポンペオ米国務長官(左)。「生物化学兵器」は、北朝鮮の防衛費はどうするのか (C)AFP=時事

 

 6月12日に行われた米朝首脳会談は、その内容の評価については賛否様々あるが、筆者はまずもって「実施されたこと」に意義があったと考える。また、「非核化」の方向付けが行われた点についての評価も高い。しかし、北朝鮮非核化に伴う「非核軍事力整備」という「当然の現実」にはなぜか関心が寄せられていない。

 北朝鮮が自国防衛のために行う「防衛力整備」には、どの国も誰も反対できない。軍事力を保有して北朝鮮に脅威を与えながら、北朝鮮に防衛力を「持つな」とは言えないからだ。北朝鮮の自国を守るに足る防衛力整備は、非核化に要する時間と比例させるのが当然であろう。どの程度の規模を目指すのか、防衛力の強度において、核兵器保有時と同等の軍事力を基準にした場合、通常兵器による防衛力整備に投ずる「予算と期間」は大きく長い。

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執筆者プロフィール
林吉永 はやし・よしなが NPO国際地政学研究所理事、軍事史学者。1942年神奈川県生れ。65年防衛大卒、米国空軍大学留学、航空幕僚監部総務課長などを経て、航空自衛隊北部航空警戒管制団司令、第7航空団司令、幹部候補生学校長を歴任、退官後2007年まで防衛研究所戦史部長。日本戦略研究フォーラム常務理事を経て、2011年9月国際地政学研究所を発起設立。政府調査業務の執筆編集、シンポジウムの企画運営、海外研究所との協同セミナーの企画運営などを行っている。
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