米国「戦略石油備蓄」一部放出は原油価格に影響ありやなしや

執筆者:岩瀬昇 2018年8月23日
エリア: 北米 中東
これは大統領自身の発案ではなさそうだが(C)AFP=時事

 

 諸事多忙で、8月21日の朝『日経電子版』で、米国が戦略石油備蓄(Strategic Petroleum Reserve=SPR)の一部放出を決定した、というニュースに接した(「米、石油備蓄放出へ イラン産輸入停止に備え10月から」ワシントン中村亮特派員、8月21日9:24)。

 筆者は、本件はタイミング以外は既定路線、以前に「岩瀬昇のエネルギーブログ」で報じたことがあるはず、と検索してみた。すると、2017年5月23日に、#346「やっぱりトランプ大統領にはエネルギー政策はなかった」と題して、『フィナンシャル・タイムズ』(FT)の同日付け「Trump hits oil price with reported plan to sell half of strategic reserves」という記事を紹介していた。記事の要点は、「戦略備蓄を半量(3億4400万バレル)10年間かけて売却し、165億ドルの収入を得ることを目的とした予算案を議会に提出した」というものだった。筆者の論点は、トランプ大統領のエネルギー政策は、アメリカには無尽蔵のエネルギー資源があるという前提に基づいているが、この前提が間違っているのでは、というところにあった。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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