灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(6)

執筆者:佐野美和 2018年8月26日
タグ: イギリス 日本
エリア: アジア
まだ髷を結っていた頃の藤原あき。正確な撮影年は不詳。この後、あきは波瀾万丈の人生を送ることになる(自伝『雨だれのうた』(酣燈社)より)

     21

 夢をもって誰もが新たな一歩を踏み出そうとするが、その現実は自分の描く青写真とは大きくかけ離れる。

 最終的に「東洋一の給与とり」と世間にいわしめたほどの中上川彦次郎とて、夢の一歩の現実は厳しいものだった。

 「天下国家を論じる新聞社の社長として、自分が国を動かしている気にもなったこともあるが、34歳の自分にはいったい何ができるのか」

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top