
清朝代々の「皇帝」が過ごした北京・紫禁城(故宮)(C)EPA=時事
イエズス会士たちが呼ぶ「タルタリー(ないしタタール)」とは、広義には万里の長城以北、漢語で「塞外」と呼ぶ空間を指して呼ぶ表現で、ル・コントもほぼその用法に従っている。そこに暮らす人々は、具体的にはモンゴル人・満洲人にひとしい。ここで「東タルタリー」というのは、東三省から現在の内蒙古・モンゴル国におよぶ範囲にあたる。ジュンガールなどトルキスタンにひろがる西方のモンゴルは、この時まだ清朝に帰服していなかった。

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