自らに向けられた目に鈍感で、国際的な感覚に疎いというのは、どうやら日本史・日本人の拭いがたい習性のようである。「天皇」号を称した古代、「日本国王」を拒んだ中世、「大君」外交体制の近世、いずれもそうであった。
しかし近代日本は、「皇帝」号にせよ「帝国」号にせよ、外からの位置づけとその翻訳でできた国家のはずである。にもかかわらず、その歴史を忘れて、自らの習性になずんだことが、破滅を招来する結果になった。
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