岩瀬昇のエネルギー通信 (81)

米「イラン制裁」のEU回避策を相手にしない国際石油各社の「腹の底」

この人の独断が混乱を招いているが(C)AFP=時事

 

 10月4日の夜、某勉強会でエネルギー情勢についてお話をした。

 出席者の中から、EU(欧州連合)が試みている「特別目的組織(SPV=Special Purpose Vehicle)」の有効性を含め、イランが原油代金決済に米ドルを利用しないで輸出を継続できる可能性、その影響度について質問が出た。もしかすると、9月26日に本欄に掲載した「米制裁を控え密かに増えているイラン原油『幽霊タンカー』」をお読みいただいた方なのだろうか。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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