灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(14)

執筆者:佐野美和 2018年10月21日
エリア: アジア
まだ髷を結っていた頃の藤原あき。正確な撮影年は不詳。この後、あきは波瀾万丈の人生を送ることになる(自伝『雨だれのうた』(酣燈社)より)

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 いつかはどこか正式な場でめぐり会えるのではないか。

 あきがかすかな予感を心の隅でしていたように、出会いの招待状が舞い込んできた。学習院の同級生だった黒田清伯爵の妹に誘われ、大使館からの招待状を手にとって見た時は衝撃的だった。

「特別主賓・藤原義江」とあるではないか。あきの中で運命の銅鑼が鳴り響いた。

 帝国ホテルのライト館グリルでもよおされる、日本で初めてのベルギー大使であるアルベール・ド・バッソンピエール主催のダンスパーティーの招待状だった。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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