岩瀬昇のエネルギー通信 (118)

石油「純輸出国」目前の米国で進む「黒いゴールドラッシュ」

執筆者:岩瀬昇 2019年2月9日
タグ: アメリカ 日本
エリア: 北米 中南米
いよいよアメリカも石油「輸出大国」に(「FT」の当該ページより)

 

 未来のエネルギーとして「水素」を語るとき、往々にして欠落している視点は、作り上げるまでに長い時間と巨額の資金を要する輸送インフラの問題だ。「天然ガス」の実情を考えてみるといいかもしれない。「水素」も「天然ガス」も、常温では「気体」だからだ。

『BP統計集2018(BP Statistical Review of World Energy June 2018)』によると、2017年の天然ガスの世界全体の生産量は3兆6804億立米(液化天然ガス=LNG換算約27億500万トン)で、消費量(3兆6704億立米=LNG換算約26億9800万トン)にほぼ匹敵している。

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執筆者プロフィール
岩瀬昇(いわせのぼる) 1948年、埼玉県生まれ。エネルギーアナリスト。浦和高校、東京大学法学部卒業。71年三井物産入社、2002年三井石油開発に出向、10年常務執行役員、12年顧問。三井物産入社以来、香港、台北、2度のロンドン、ニューヨーク、テヘラン、バンコクの延べ21年間にわたる海外勤務を含め、一貫してエネルギー関連業務に従事。14年6月に三井石油開発退職後は、新興国・エネルギー関連の勉強会「金曜懇話会」代表世話人として、後進の育成、講演・執筆活動を続けている。著書に『石油の「埋蔵量」は誰が決めるのか?  エネルギー情報学入門』(文春新書) 、『日本軍はなぜ満洲大油田を発見できなかったのか』 (同)、『原油暴落の謎を解く』(同)、最新刊に『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)がある。
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