岩瀬昇のエネルギー通信
(139)
「神」と呼ばれた伝説の「石油トレーダー」が語る壮絶「一代記」

これだけのインタビューに応じたのは極めて珍しい(『FT』より)
筆者がロンドンでおっかなびっくりオイル・トレードを始めた1980年代半ば、業界には「ミリオン・ダラー・クラブ」なるものがあると教えられた。トレードで大成功し、ボーナスを100万ドル以上貰うことが「入会資格」だ、と。
サラリーマン・トレーダーの筆者は、最初から「応募資格」すらない世界だ。
それから数年して、プロのオイル・トレーダーを雇用し、子会社を設立して彼らのトレードを管理したこともある。全社的なルールの中で、耐えられる最大損失額を勘案しながら、どこの会社とどれくらいの取引をしていいのかという信用限度と、価格リスクを採る「売買越限度」を設定し、その範囲内であれば自由にやってもらった。それでも「ミリオン・ダラー・クラブ」に参加できるほどの利益をあげる年が多かった。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン