灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(51)

執筆者:佐野美和 2019年5月12日
エリア: ヨーロッパ アジア
自著『雨だれのうた』(昭和22=1947=年刊より。撮影年不詳だが、義江と結婚できた幸せの頂にいたころ)

第3章 幸せの頂

 昭和4(1929)年12月。あきと離婚した宮下左右輔は祝言をあげた。

 宮下は震災で焼けてしまった京橋の実家を再建して眼科医院を開業し、あきと「我等のテナー」藤原義江との三角関係を世間が面白おかしく取り上げるのをふり払うように研究に没頭していた。東京帝国大学の講師や東京女子医専教授も兼任した。

 平成9(1997)年、日本弱視教育研究会発行の『弱視教育』に、宮下の「弱視児童特殊学校設立の急務」の論文が64年の時を経て再び日の目を見た。

カテゴリ: 社会 カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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